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7号室 171番 8/22


8月22日
今日は、風呂に入れる日だ
どのような感じで入れるのか…
大浴場で全員で入るのか…まさか、修学旅行じゃ有るまいし…
看守の監視の下イモ洗い?それとも一人づつ入るのか…
それは、あり得ないだろう
ても、拘束されるべき囚人…
しかし、留置所であって、刑務所ではない…

各号室が、順番に入るらしい…
3人づつ入る
順番が来た…
私の隣の牢は、2人で入っている
なので、6号室の人と一緒に入ることになった

隣の人達は、何かと気にはなっていた…

隣であるため、何かと対で行動することが多くなる

朝の洗面と掃除、運動と呼ばれる喫煙タイム、就寝前の洗面と布団運び…
それくらいのイベントしかないが…

6号室の2人は、模範囚の男なぜ、模範囚の男かと言うと
喫煙タイム、洗面タイムにおいて看守の人達からも言われていたが
周りに気を使う…
そして、細かさがある立ち振舞い…
例えば、就寝前の洗面は自分の使わないところまで長い洗面台をキレイに拭いて終了、
喫煙したあとの灰皿用洗面器の後片付けなど…

とても犯罪を犯した人間には見えない…

もう一人は声が太く重低音が留置所内に響き渡っているものの、
隣であるけど、何をしゃべっているのか、よく聞き取れない男…
所々聴こえてくる内容だと、なにやら、お互いの体験談の様な事を話しているらしいが…
主に模範囚の男が聞き役で
振る舞いは、親分タイプ

順番に呼ばれ、とりあえず、タオルと石鹸を持って、3人で風呂に向かった

風呂の場所は知っている

喫煙した場所の向かいに乾燥機付きの洗濯機が二台あり、その隣にある…
入浴時間は15分間らしい

中に入ると、右奥にバスタブがあり、3人で入るのが、精一杯の脱衣場と洗い場…
洗面器は3つあるが、お湯の出る水道は2つ、バスタブの向かいにシャワーがある…
先に2人が脱ぎ終わり、洗い場へ
勝手がわからない自分は後から入ることになったが、
模範囚な彼は、奥の洗い場へ行きバスタブからお湯を掬い、タオルに石鹸を擦り付けている…

2つしかない水道を先に占拠しなかった…

模範囚というよりは、優しい男だ
入所してまもない私に、気を使ってくれたのか?
いや、そうではないだろう、
彼は誰に対しても、そういう態度、立ち回りをするだろうと思った。
なぜか、そう感じた…

心でありがとうございますと言う…

こうして、いろいろ様々な囚人を観ていると、
この男は何をやらかしたのかが、気にならない訳がない
この優しい男は?
こちらの野太い声の男は?
まぁ、お互いに考えている事だろうけど…


生乾きで臭いタオルを洗面器の中で洗い、そして泡立てて…
あっそうだ…
いつも、頭から洗い始めるんだった…
シャンプーなどは、持ち合わせていない
固形石鹸をそのまま頭に擦り付けて、泡立て洗う…
すると、隣から声が…
「シャンプーありますけど…良かったらどうぞ…リンスも…」
野太い声の男が隣の水道を使っていたのだが、その向こう側から、
優しい模範男が声をかけてくれた

周りに気を使う男だなぁ
あらためて感じた…

「ありがとうございます、大丈夫です」と
四十過ぎて薄くなり始めたボーズヘアの私は言った…
頭を流し、あまり泡立たないタオルで、全身を拭い去る様に洗った…

懐かしいくらいの温度のお湯で流しキレイになった…
湯船に浸かりたかったけれども、少し遠慮して入らなかった…
それに、私達が最後のグループで、湯船にあまりお湯がないから、
そのまま使い終わったら、栓を抜いておいてくれと
看守の人が言っていたことを思い出した…

シャワーも湯船も使わない私は、すぐに入浴終了した
あと2人は、わりとゆっくりと楽しんでいる…
洗面器をゆすいで、洗い場から出ようとすると…
野太い声の男が「もう上がるの?」と聞いてきた…

「いやぁ、はい…」と言って
汚れた下着と衣服をゆっくりと身に付けている時に、横目で風呂場を見ると、
模範囚の男は、バスタブのお湯を抜いて、シャワーで浴槽をゆすいでいたのが見えた…

私はゆっくりと風呂場の扉を開けた…

外で待機していた看守の人が
「あと、7分有るけど…」と言われて…
「あぁ、もう、出ます…」と答えた…

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