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7号室 171番 8/21


留置所に戻ると
一連の作業の様な
囚人収容された
青かったけれど灰色なザイルに繋がれた手錠のまま、車を降りる
「解錠」のかけ声ごとに扉は開けられて
自分の檻に戻る

連行という意味がよくわかる…

檻に戻るなり…
「飯食っちゃえ」
と言われた

留置所の夕飯の時間は、とうに過ぎていたらしい…

おかずとご飯の入った弁当箱はすでに冷たくなっていた…

この時に「臭い飯」という意味が解った…

冷たくなった、白い飯は
まだらに黄色くなっていて
味といい、匂いといい
あまり一般人の口には
遇わないであろうか…
とても、喰える代物ではなかった…

冷たくなったフライをかじり、飯を掻き込む

なぜか、涙が溢れてきた
咀嚼するたびに、涙がこぼれそうになった…

「千と千尋の神隠し」の1シーンを思い出した…

それは、千尋が千とされて、現世から低俗な欲のため、
この世界から出られなくなって…おにぎりを頬張るシーン…
おにぎりを食べながら、涙が溢れ出し、やがて嗚咽を…

あの気持ちと、同じ様な気持ち…

さすがに、嗚咽まじりに泣けなかった…

涙を…たくさん…貯めてあったから…
ちょっとした拍子に…
こぼれそうになっただけです…

何がそうさせたのか…

私は時折
涙のスイッチが入る…
トラウマなのか…
条件反射の様に
つぅーんとなり、
堪らない気持ちに入る…

この、飯を食することも、その内のスイッチのひとつなのだろう…

つぅーんとする涙のスイッチは
一人でおにぎりを食べる時によくある…

寂しく一人でおにぎりを食べなければならない状況が
幼年期の泣けるトラウマなのか…


出がらしではないが、お湯の香りがするお茶で弁当を流し込む
そして、鉄格子の下の小窓から弁当箱を返却した…
それを見て、鉄格子の向こうの看守さんは、弁当箱を取りに来た…

「お茶のお代わりは?」

「いや、結構です…」
「ごちそうさまでした!」
優しい人なんだ…
と思った…

此処に連れて来られて、
一環として感じていることがある…

警察官兼看守の人達は、いろんなタイプの性格ではあるけれど、
優しいというか、
気が利くというか、
言葉の少ない人達がほとんどだが、
手厚く見守ってくれている感じがする…

気のせいだろうか?

こういう状況だから、
よけいに、優しい感じに思えるのか…?



食後のレクリエーションタイム

夜の7時を過ぎと、FMが流される…

番組プログラムは、ニュース、スポーツ、CM、思い出のあの曲という様な内容…

ニュースといっても…5分程度のもので、世間体でよろしくなニュース
新しいけど、知っていても知らなくても、私にするとどうでもいい様な出来事…
そして、スポーツニュース
これも、興味が無い…

あの頃の思い出のあの曲…これは、興味津々
ジャンル問わず、音楽好きな私は、
各号室の雑談時間であり、雑音の中その番組を
じっくりと聞き入っていた…

思い出の曲のエピソードをリクエストするだけの番組だったが、
知っている曲、知らない曲と流れるけれど…
曲は二の次
その曲にまつわる、エピソード…出来事が気になった…

聴いたことの無い曲ても、エピソード…が加わることで親近感が湧く

マイナーな歌謡曲などは、
エピソード…がズバリはまっていたりして、
感動、涙、

そのエピソードも作り話ではないかというくらい
ドラマチック・・・



少しだけ…
少しだけ…


外の様子が解った…

そんな感じ…


鉄格子越しに見えた青空

そんな気分になれた…


少しだけ…
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